飛天
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飛鳥時代後半の飛天

岡寺出土天人專
図71 岡寺出土天人專


橋夫人念持仏の名で知られる厨子の後屏には、蓮池から植える蓮台上に5人の飛天が跪坐する。左2人は下を、右2人は天井を見上げる。髪は垂髪で肩まで垂れる。はぼ同時期の作品として三尊專仏がある。川原寺、夏見廃寺などから出上しており、飛天は本尊の上、天蓋の左右で散華する。

このデザインこそ、インドで誕生して、中国の石窟寺院で完成し飛鳥・斑鳩に伝わったものである。飛鳥、岡の丘陵上にある岡寺では、須弥壇の側面を一辺30cmの文様專で化粧していた。この專には、鳳凰、飛天をデザインしている。飛天は両脚をおり曲げた姿勢、乱れた髪や細い天衣の動きから、今、天井から降りたばかりの一瞬を描いている。下脹れの童顔、薄い布の衣服を腰で止めており、天衣を手にする繊細な曲線の表現は、飛鳥のセンスでアレンジしたものであろうか。


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