インターネット飛鳥資料館開設のごあいさつ

いまから1300年ほど前、飛鳥(現在の奈良県高市郡明日香村)には日本の首都がおかれました。古墳時代が終わりに近づき、日本が一つの国に纏まろうとしていた時代のことです。この首都を中心に古代日本の国家制度の骨組みが形づくられ、日本的な文化の土台が固められることになります。たとえば日本人のものの考え方に長く大きな影響を与えることになる仏教が伝えられたのもこの時代ですし、日本語を中国文字を借りて書き表わす方法が確立するのもこの頃のことでした。

7世紀の飛鳥は、皇族の宮殿や貴族の屋敷が軒をならべ、数多くのお寺が甍を競い、賑やかな市場もあるといった大都会で、外国からの賓客たちが行き来する国際都市でもありました。けれど千数百年の歳月をへだてて、いまや豪華な建物の跡はすべて水田の下に埋もれ、このわが国最初の都の地を訪れる人々を迎えるのは、ただ村のあちこちに残された不思議な石造物と、ぽっかりと口をあけた古墳の石室といったありさまです。

飛鳥資料館の展示は、発掘でわかってきた古代の宮殿・寺院の様子や古墳・石造物の調査をつうじて、かっての飛鳥の都の姿を説明しています。このインターネット飛鳥資料館によって、古代の日本の歴史と、その中で飛鳥が果たした役割の一端に触れていただきたいと思います。

奈良国立文化財研究所飛鳥資料館


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