「菜の花」ってどんな花?
久々のネコの植物講座、今回は菜の花を取り上げてみました。
「菜のは〜なばたけ〜に〜♪」と歌われる菜の花。
写真は、稲渕の棚田の菜の花畑。
今年は行くチャンスが無くて、これは2002年に撮影したものです。
さて、お馴染みの「菜の花」って、一体どんな花か?
皆さん御存知でしょうか?
えっ?誰でも知ってる?
本当にそうでしょうか?
では、まず下の写真をご覧下さい。
どれが菜の花でしょう?
サムネイルですので、大きくなります。
よく見てご検討下さい。(笑)
いかがですか?簡単ですか?  では、答えは下の解説コーナーをご覧下さい。
まず、菜の花とは、アブラナ科の「アブラナ」のことです。「ナタネナ」とも言われ、日本では古くから菜種油を取るために栽培されてきました。
花の特徴は、花びらは4枚、黄色で十字状の花が房状に付きます。
どうです?上の花たちはみんな当てはまりますね。(^^)
つまり、上の花たちはすべて、アブラナ科の花なので、よく似ているのです。
区別のポイントは葉っぱです。葉っぱの分かる全体写真を見て頂きながら、上段左から順に、解説していきましょう。写真の大きさの都合で、1列4枚です。よく解らない方は写真をクリックして大きくしてみて下さい。
キャベツです。
葉っぱは厚手ですね。
縁にわずかなギザギザがある他は、どの葉もふっくらと丸みを帯びた楕円形です。
これは白菜。
薄手で少し縮れた葉が特徴です。
葉っぱの縁には細かいギザギザがありますが、大きくくびれたりはしません。
これがアブラナです。
葉っぱは白菜より厚手で少し縮れています。下の方の葉は、柄がありますが、上の方は茎を巻くようになります。いずれの葉も大きなくびれはありません。
蕪です。
葉っぱは、上の方は細長く、茎を巻いていますが、下の方は柄があり、縁が波状に窪んでいます。
これはイヌガラシです。
葉には鋭い鋸歯があります。
道端や最近は河原などに群生している菜の花畑はこれです。
食用ではありません。
葉や花がカラシナに似ていて食用にならないので「イヌガラシ」。役に立たないと「イヌ」というのを付ける...全くイヌに失礼ですよね!
壬生菜です。
こうやって葉っぱをご覧になれば、関西の方なら八百屋さんやスーパーでお馴染みの野菜♪
水菜です。
これも関西の方にはお馴染みの野菜ですね。
最近は、「サラダ水菜」と呼んで、生野菜として食べることが多くなってきました。
日野菜です。
滋賀県の日野地方で栽培されたので日野菜。
アカナとも呼ばれ、蕪に近い品種で、大根部分は上半分が赤く、下は白で、お漬け物になります。茎も赤みを帯びています。
言うまでもなく...葉ボタンです。
が、これはキャベツの変種だそうで...ということは、食べられる!!(^^)
何方かお試し下さいませ。
ブロッコリーです。
どうやらこれも、キャベツの変種らしいです。
こうなっちゃうと美味しくないですね!
おまけ。(^^)
隣の紫のと比べてみて下さい。
どうです?そっくりでしょ?
この白い方は大根です。
こっちは食用ですが、紫のは食べられません。
もう一つおまけは、、花壇などにも栽培されている「ムラサキハナナ」です。別名「オオアラセイトウ」大根そっくりでしょう?
「諸葛菜(ショカツサイ)」という呼び名もあるみたいです。
中国原産で、諸葛孔明にちなんだ命名とか。
菜の花=アブラナについて、少し付け加えておきます。
実は、菜の花畑...と見られるところで上の写真と少し違った葉っぱのものが植えられているのを、ご覧になることがあるかと思います。昔は、菜の花は主に菜種油を採るために栽培されていました。でも、最近では少し事情が変わって、切り花用に白菜と掛け合わせた改良品種が作られたり、菜の花漬けやおひたし、炒め物などに人気が出た食用として、蕾のウチにつみ取られてしまうものもあって、一口に菜の花と言っても、同じものではなくなってしまっています。
栽培品種とか野菜は、区別が本当に難しいのです。
いかがでしたか?菜の花シリーズ。
さて、今年の菜の花...まだ見られるようです。どうぞ楽しんで下さいませ。(^^)
解説2「アジサイ」へ 植物図鑑トップへ