私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



File No. 003 牽牛塚古墳 けごしづかこふん  (史跡)

 明日香村越塚前

凝灰岩をくり抜き、整然と並んだ2室の石室は、明らかに合葬の形式である。
この古墳が造られた年代、この場所、そしてこの2つに分かれた石室、さらには八角形墳という特殊性から導き出される被葬者は、やはり斉明天皇であり、彼女の愛した孫であり、早逝した中大兄皇子の子、建皇子なのであろうか。
そう考えると、気軽に中を覗き込むことすら憚られるような気がする。
長い時間の中で風化し、時には愚かな者に荒らされることがあっても、共に葬られた二人が安らかであることを願いつつ、手を合わせるだけである。

 近鉄飛鳥駅から徒歩10分

 


・7世紀
・八角形墳で、南方に入口。
・巨大な凝灰岩をくり抜いて造った合葬用の石室。それぞれの室の床に棺を置く石の台。
・扉石は二重で、ともに入口の前に倒れている。
・夾紆棺(きょうちょかん)、七宝亀甲形金具、ガラス製玉などが出土。