私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 008 中尾山古墳 なかおやまこふん

 明日香村平田


付近に残る「あんごう」や「悪谷」の地名、八角形という墳丘の形状、90cm程度という火葬骨埋葬に適した大きさ、精巧に作られた石室、墳丘・・・多くの人が、ここを真の文武天皇陵とする所以である。
しかし、お役所はここにはどうも興味がないらしい。
皇陵や陵墓参考地に関しては、あれほど頑なに立ち入りを禁じたりしているのに、ここについては何の主張もしていないらしい。
その論理を理解するのは、この古墳の被葬者を考えるよりも難しい。
逆に現文武天皇陵付近は、「安古」の地名を「赤穂」と結びつけることによって、そこに葬られたと記録される十市皇女(天武天皇と額田王の娘)や氷上夫人(天武天皇妃で藤原鎌足の娘)の墓のある地域であることも考えられている。

 近鉄飛鳥駅より徒歩20分

 


・墳丘の直径22m、高さは3.2mで、八角形墳と考えられている。
・石室は一辺90cm程度の火葬骨器埋納用であるが、その作りは火葬以前の石室の築成
に類似し、古墳から火葬墓への過渡期の例と考えられている。