キクとそれに似た花のグループの2ページ目です。
今度は、野山で見かける花です。
カンサイタンポポ
キク科タンポポ属
2006.3 巻向
セイヨウタンポポ
キク科タンポポ属
2003.4 生駒市
ブタナ(豚菜)
キク科エゾコウゾリナ属
2006.5 平城宮跡
カントウタンポポ(関東タンポポ)
キク科タンポポ属
2005.4 鎌倉市
ニガナ
キク科ニガナ属
2003.5 橿原市
関西から西の日本のタンポポ。
右のセイヨウタンポポとの違いは、総苞(萼のように見えるもの)が反り返っていないことですが...。
関東地方のタンポポに比べて総包の長さが、内側のものと外側のものと差が大きいこと、というのですが、素人目には一緒に見えます。
白い花のタンポポもよく見られますが、これは別種です。
こちらがヨーロッパ原産の帰化植物です。
この写真は、左のとかなり近い場所で撮影しました。
総苞の反り返りがはっきりしています。
最近の研究では、この2種にどうやら雑種が出来ているらしくて、これまた素人の区別は困難になりつつあるようです。
ヨーロッパ原産で、昭和初期に渡来した帰化植物です。
各地の路傍や空き地、牧草地などに分布する、タンポポに似た花ですが、花柄が長く枝分かれして幾つも花を付けるのが特徴です。
フランスでこの花を「豚のサラダ」と呼んでいるのが、和名の元になっているそうです。
こちらが関東タンポポです。日本固有のタンポポで、関東から中部に分布します。
タンポポは拓本などに使う布で綿を来るんで作った「たんぽ」に球形の果実穂が似ているということからと言われています。
葉を食用にしたり、根を健胃剤に用いたりします。
日本中何処でも見られる多年草です。
キク科の花は、花びらみたいに見えるのが、「舌状花」という一つの花なのですが、ニガナはこの舌状花が5個前後と、少ないので、オオジシバリなどと区別出来ます。
全草に苦みがあるので「苦菜」だそうです。
オニタビラコ(鬼田平子)
キク科オニタビラコ属
2003.5 二上山
タビラコ(田平子、コオニタビラコ)
キク科ヤブタビラコ属
2004.3 生駒市
オニノゲシ(鬼野芥子)
キク科ノゲシ属
2003.10 磯城郡・田原本町
ノゲシ(野芥子、ハルノノゲシ)
キク科ノゲシ属
2003.10 磯城郡・田原本町
オオジシバリ(大地縛、ツルニガナ)
キク科ニガナ属
2003.4 生駒市
日本各地に分布する1年草で、畑地や路傍に生育し、あまり群生することはありません。
「鬼」は大形のという意味で、田平子に似て大きいからです。
5〜10月が開花期ですが、暖地では1年中花をつけます。
本州、四国、九州に分布する小形の1年草で、耕す前の水田や畑地、路傍などに生育します。
田圃の地面にロゼット状の葉が平たく広がるので田平子と呼ばれるそうで、「子鬼」は、小さいという意味です。
春の七草の「ホトケノザ」はこの草のことです。
明治時代初期に渡来したヨーロッパ原産の1年草で、日本各地の畑地や路傍に普通に見られます。
ノゲシに比べて大形なので鬼ノゲシなのですが、葉っぱの先も鋭い棘状になっていて、いかにも「鬼」という感じです。
原産地はヨーロッパですが、古くから中国経由で渡来して、日本各地の畑地や路傍に生育しています。
葉がケシに似ているからノゲシという、とのことですが、ケシよりアザミに似ているように思います。
若い苗は苦みがありますが食用になるそうです。
日本各地に分布する多年草で、水田の畦や路傍に多く生育します。
大形のジシバリ(イワニガナ)という意味で、繁殖力が強く、地面に接した蔓から根が出て一面に広がることから、地縛と言われるそうです。
ジシバリとは花が大きいことと、地面に近い葉に切れ込みがあることで区別出来ます。
アレチノギク(荒地野菊)
キク科イズハハコ属
2003.8 磯城郡川西町
ノボロギク(野襤褸菊)
キク科キオン属
2003.9 明日香村
ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)
キク科ベニバラボロギク属
2003.9 明日香村
ツワブキ(イシブキ)
キク科ツワブキ属
2004.1 浜松市
イワニガナ(岩苦菜)(ジシバリ)
キク科ニガナ属
2004.4 当尾
南アメリカ原産で、1890年頃に渡来し全国に広がった1年草です。路傍や空き地に非常に多く蔓延っていましたが、最近では後から渡来した「オオアレチノギク」に押されて、減少してきているそうです。
違いは、オオアレチノギクが1〜2mになるのに対して、30〜60cmと小型なこと、頭花(舌状花の集まり)が黄色みを帯びていることで区別出来ます。
ヨーロッパ原産で、1870年頃に渡来した1年草です。日本各地の畑地や路傍に普通に見られ、畑地や果樹園などの雑草となります。
襤褸菊という同属の山野に生えるものに似て、野に生えるので「ノボロギク」です。同属の「襤褸菊(ボロギク)=サワギク」は、頭花が集まった様子を、ぼろ切れに喩えて名付けられたそうです。
花の時期は5〜8月ですが、暖地では1年中花をつけます。
アフリカ原産の1年草で、第二次大戦後まもなく福岡県で見つかったそうです。牧野図鑑にはこの花は載っていません。数年で九州、四国、近畿地方に広がり、現在では関東以西に分布し、山野の伐採地や山焼きの後に群生するそうです。
紅色の花の襤褸菊ということで付けられた名前ですが、ボロギクはキオン属、これはベニバラボロギク属と別の仲間です。柔らかく、食用になるそうです。
東アジアに分布し、日本では福島県、石川県以南の本州、四国、九州、南西諸島の海岸近くの林に生育する多年草です。
葉につや(光沢)があって、フキに似ているので「艶蕗(ツヤブキ)」から転訛したと言われています。イシブキは「石蕗」という字を当てるようですが、由来は不明です。
育てやすく、日陰でも花をつけるので園芸用に色々の品種が作られていて、民間薬として葉をあぶって傷口に貼ったり、若い葉の茎を食用にしたりします。
全国に分布する、高さ10cmほどの小形の多年草で、田畑にも生えますが、河原や崩れやすい崖のような不安定なところが主な生育場所です。
岩場に生えるニガナという意味で、ジシバリは、地面に張り付くように生えているからだそうです。オオジシバリ同様ランナーを出して増えます。
ニガナはこのページの一番上の段にありますが、ご覧のように、舌状花(花びらのように見えるもの)の数が少ないところが違います。
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