私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 011 鑵子塚古墳 かんすづかこふん

 明日香村真弓

谷間の水田に囲まれた丘陵造られたこの古墳は、遠めにもはっきりと形を認識できるほどである。
この古墳は羨道を玄室の両側に持つという特異な構造の古墳であり、他に例を見ない。
人の行き着く、そのどん詰まりが墓というものである。そこから先はないのが、ごく普通の姿であろう。
しかし、一方の羨道入口から中を覗くと、この古墳には、先があるのである。被葬者は、ここに眠ることなく、どこかへまた旅立ったとでも言いたげな、不思議な光景である。

 近鉄飛鳥駅より徒歩20分、牽牛塚古墳からは徒歩約10分

 


・円墳(直径約23m) 6世紀
・自然石を積み上げた石室 長さ6.33m 幅4.23m 高さ4.8m
 (石室の規模は巨大古墳並で、高さは石舞台古墳に匹敵し、幅はそれを凌ぐ規模である)
・石棺は発掘されていないが、凝灰岩の破片が土中より採取されている。
・金銅製装飾金具1個、金銅装馬具、須恵器蓋付坏、高坏破片若干が出土。