私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 044 飛鳥川(飛び石) あすかがわ(とびいし)

 明日香村稲淵

私にとって、明日香を象徴する風景の一つがここである。
トップページのデザインにこの石橋(いわはし)を使っていることからもおわかりいただけることと思う。

「年月も いまだ経なくに 明日香川
    瀬々ゆ渡しし 石橋もなし」(万葉集巻7・1126)

古代においては、よほどの大路でない限り橋もなく、このような飛び石が橋の役目を果していたのだろう。
飛鳥川も、昔は今と違い鉄砲水が多く、氾濫を繰り返し絶えずその流れを変えていたという。
古代の飛鳥川を髣髴とさせる風景も、今やこの辺りか、もっと上流でなければ味わえなくなってきている。
万葉の世界を偲ぶ歌碑を立てることもけっこうなことではあるが、肝心の景観を守るために、何か他にやるべきことがあるのではないかとふと考えたりするのである。

 石舞台から徒歩約30分、神所橋のやや上流