私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 045 坂田・稲淵・栢森 さかた・いなぶち・かやのもり

 明日香村坂田・稲淵・栢森


観光で訪れた人は、ほとんどが石舞台を見て一服し、引き返す。しかし、もっと明日香を好きになりたいなら、石舞台の地点は、スタート地点なのである。
バスは全く期待できず、自転車での登りも楽ではない。徒歩では少なくとも2時間の余裕が必要・・・。これでは多くの人が訪れるわけもない。
しかし、ぜひ一度ここは歩いてみて欲しい場所である。
坂田から稲淵にかけて広がる棚田は、春には菜の花、レンゲが咲き競い、夏には緑を積み重ねた涼景となる。そして秋には彼岸花の鮮やかな帯に縁取られたあと、やがて景色の全てが黄金色に染まってゆく。
稲淵の集落の入口にある神所橋には雄綱がかけられている。(写真左下)いうまでもなく男性の・・・である。
上流の栢森には雌綱がある。いうまでもなく女性の・・・。
両集落ともに、無病息災、五穀豊穣を願う昔ながらの風習である。綱掛行事は、毎年旧1月11日に行われる。
とにかく、のんびりと歩くのがいい。
人気のない道をひたすら歩いていくうち、どこかで馬に乗った二人の貴公子とすれ違うかもしれない。
南淵請安先生の塾から帰る途中の、中大兄皇子と中臣鎌足の二人である。・・・それはない。