「恐怖の昔」




 私が小学生の時に、学校販売の「奈良県の昔話」という本を買いまして、今回のネタはそれに載ってた話です。他の話はほとんど忘れましたが、これは、余りのインパクトの強さ故に、ず〜っと憶えております。
 昔、三作という少年が手習いをしている時に、鹿がやって来て紙を食べ始めてしまいました。当時、紙は貴重品です。三作は鹿を驚かそうと文鎮を投げたところ、当たり所が悪く、鹿は死んでしまいました。
 奈良の鹿は神鹿と呼ばれ、神聖視されておりました。それでも、革を売ったりする為の密猟が結構あったとかで、殺生すれば処刑と定められていました。
 当時の管轄は奉行所ではなく、某寺社が管理していたそうですが、情状酌量とか、過失致死とか、少年法なんて関係なく、容赦はありませんでした。哀れな三作少年は穴の中に鹿の死骸と一緒に入れられ、投石して生き埋めにされる石子詰になりました。
 で、この三作石子詰の跡は、実はひっそりと実在しております。
 落語の「鹿政談」(でしたっけ?)は幕末に、寺社から奉行に司法権が移行してからの話だと思います。某寺社はかなり厳しかったそうです。

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初出;2003年7月16日


 裏話 

 知ってる様で知られていない話です。
 この後、これを見て下さってる方から、
「あれって、本当?かなり外れた場所にあるの?」
 と、尋ねられましたが、場所を言うと、ものすんごく驚かれておりました。
 ものすごく有名な建物と、ものすごく有名な池の間あたりにあります。‥‥って言うと、大体判ると思います。是非探してみて下さいませ。

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