房咲きの花の4ページ目です。
ここは草の花ばかりです。最初はセリ科。
オランダミツバ(セロリ)
セリ科オランダミツバ属
2003.9 明日香村
イタリアンパセリ
セリ科オランダゼリ属
2003.6 生駒市
ボタンボウフウ
セリ科カワラボウフウ属
2003.6 大和郡山市
ドクゼリモドキ(ホワイト・レースフラワー)
セリ科ドクゼリモドキ属
2003.6 橿原市
コシャク
セリ科
2006.6 奈良市
原産地はヨーロッパ南部、野菜のセロリです。
野菜としてだけでなく、スパイスとしても古くから使われてきました。薬用としての歴史も古く、古代エジプトの王の墓から、セロリを編み込んだ花輪が発見されているのだそうです。
効能は、消化促進、血圧降下の他、気管支炎や肝臓病にも効くとか。
ミツバやムラサキミツバは、花がもっとまばらに付くので、極小さい花のところに載せてあります。
原産地は地中海沿岸、洋食の付け合わせでお馴染みの、「パセリ(モスカールドパセリ)」の1品種のようです。様々な品種が世界中で栽培されていますが、元々の野生種は、このような葉が平たいものだったようです。
香辛料として使われる他、フレッシュなものをサラダにしたり、パスタのトッピングにしたりします。
古代ギリシャでは薬草として用いられていたとかで、貧血や消化器系疾患などに効果があるそうです。
関東以西の本州、四国、九州、南西諸島に分布する多年草で、海岸に生育します。
ボウフウの仲間で、葉が牡丹に似ているので「牡丹防風」です。
これは、大和郡山の薬園八幡神社で栽培されていたものです。
昔は公の許可をもらって根を朝鮮人参の代用にしたことから、「御赦免人参」ともいわれ、若葉や根を食用にしたりするので、「食用防風」という別名もあるそうです。
地中海沿岸から西アジアが原産の園芸植物です。
花壇にも植えられますが、切り花として花束などに使われます。
ドクゼリという、セリに似て有毒な植物に似ているから、ドクゼリモドキなのですが、それでは切り花として売りにくいから、「ホワイト レース フラワー」という名前で花屋さんに列んでいるのです。
本来は、山中の湿ったところに生える多年草です。撮影場所が、山中というほどの所でなかったので、若干疑問はありますが、他に該当する植物が図鑑では見あたりませんでした。
牧野図鑑に因れば、小形のシャクで、「コシャク」ですが、この「シャク」の意味はよく分からないようです。なお、その他の図鑑では「シャク」となっています。
房の外側の花は内側より大きく、特に外側の2枚の花びらが大きくなるのが特徴です。
シシウド(猪独活)
セリ科シシウド属
2004.8 霧ヶ峰
イブキボウフウ(伊吹防風)
セリ科イブキボウフウ属
2004.8 霧ヶ峰
アストランティア・マヨール
セリ科アストランティア属
2004.8 蓼科・バラクライングリッシュガーデン
サラシナショウマ(晒菜升麻)(野菜升麻)
キンポウゲ科サラシナショウマ属
2005.8 箱根・湿性花園
カワラマツバ(河原松葉)
アカネ科
2004.8 霧ヶ峰
高さ2mほどになる大型の植物で、本州、四国、九州の草原や林縁に生えます。
ウコギ科の独活に比べて強壮で、イノシシが食べるような独活という意味の名前です。
開花した株はその年に枯れるのだそうです。
北海道、奈良県以北の本州に分布する多年草で、高さが30〜80cmになります。日の当たる草地や林縁などに生育します。
伊吹山に多く生えるので「伊吹防風」という名前になったのですが、伊吹山の固有種ではありません。
根は中国や朝鮮半島産のボウフウの代用として薬用にされたそうです。
中央・西部ヨーロッパが原産の多年草で、園芸植物として入ってきたものです。
白花の他、ピンクや小豆色のものもあり、花壇や切り花に使われます。
名前は、学名をそのまま付けたものです。
山地の木の下や草原に生育する多年草です。
和名はいずれも、若い葉を茹でて水に晒し、食用にする事から付いた名です。
「ショウマ」という名前が付いたものはこの種の他に、ユキノシタ科の「トリアシショウマ」などがあって、混乱している事があります。
秋の花で、山地では8月に、平地では10月頃に咲きます。
漢方では、「升麻」といい、解熱、解毒、強壮剤として用いるそうです。
山地の日の当たる草地や河原に生育します。
葉っぱは細くて、縁が裏側に巻いています。
葉の他に「托葉」という葉っぱ状のものが付いているので、8枚くらいの葉が輪生しているように見えますが、実際は2枚の葉が対生しているのだそうです。
イブキトラノオ(伊吹虎尾)
タデ科イブキトラノオ属
2004.8 霧ヶ峰
ノジトラノオ(野路虎尾)
サクラソウ科オカトラノオ属
2004.6 鎌倉市
シロバナサクラタデ(白花桜蓼)
タデ科イヌタデ属
2003.9 信貴山
ソバ(蕎麦)
タデ科
2002.9 明日香村
ノコギリソウ(鋸草、ハゴロモソウ)
キク科ノコギリソウ属
2004.8 霧ヶ峰
全国の山地や亜高山帯に分布し、日当たりの良い草原に生育する多年草です。
伊吹山に多いので「伊吹」花穂の形を虎の尾に見立てて「虎尾」という名前になったそうです。
原野や丘陵のやや湿ったところに生育する多年草です。
これも花房の形から「虎尾」という名が付けられた植物ですが、右のイブキトラノオとは、違う仲間です。
よく似た花に「オカトラノオ」というのがありますが、茎に毛が生えている事、葉っぱの付け根から、小枝を出して小さな葉をつける事が「ノジトラノオ」の特徴です。
低地から山地の比較的肥沃な湿地に生える多年草で、タデの仲間では花も大きく大型です。
同属の「サクラタデ」に似ていて花が白いことから、付いた名です。
白いのは花びらではなく、萼です。
雌雄異株としている図鑑もあるのですが、牧野博士によると、「株によって、雄しべが長く雌しべが短い物と、雄しべが短く雌しべが長い物とがある」とのことです。
原産地は中央アジアで、古い時代に日本に伝わり各地の畑で栽培されています。
写真の左側に少しだけ写っていますが、茎の下の方が赤みを帯びるので、天の邪鬼の昔話が出来たのでしょう。
夏または秋に白い花をつけますが、淡紅色の花のものもあります。
「ソバ」は稜のことで、「ソバムギ」は角のある麦という意味です。
北半球の寒帯から温帯にかけて分布し、日本では北海道と本州に見られる多年草です。日の当たるススキ草原などに生育します。
葉の縁が、鋸の刃のようなので、ノコギリソウという名が付きました。
7月から晩秋まで、白い花が集まって咲く、開花期の長い花で、観賞用に栽培もされているのですが、最近ではヨーロッパ原産の西洋ノコギリソウの方が多く見られます。
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