釣り鐘型、ラッパ型というのも、かなり主観的(笑)...スズランとかツリガネニンジンなどのイメージのものが釣り鐘型、百合やツツジのように花びらの付け根が細長く先が開いていくのをラッパ型としているのです。
赤・ピンクグループでは、エゴノキやドウダンツツジが釣り鐘の、ツツジがラッパ型の代表格です。
エゴノキ(チシャノキ、ロクロギ)
エゴノキ科エゴノキ属
2002.5 生駒市
ベニサラサドウダン(園芸品種・口紅錦)
ツツジ科ドウダンツツジ属
2003.5 生駒市
エリカ・交配種(クリスマスパレード)
ツツジ科エリカ属
2003.11 宝塚ガーデンフィールズ
アベリア
スイカズラ科ツクバネウツギ属
2003.10 奈良市
ジギタリス(キツネノテブクロ)
ゴマノハグサ科ジギタリス属
2003.5 生駒市
果実がえぐいから「エゴノキ」というのだそうです。
ロクロギは傘のろくろを造ったから。
丘陵や雑木林に自生しますが、庭木としても人気のある木です。
本来は白花の落葉小高木ですが、これはそのピンクの園芸品種で、大阪の花博の時に造られました。
本州中部の亜高山帯に分布する落葉低木で、「サラサドウダン」の変種で、これはそれを更に園芸品種にしたものです。
「サラサドウダン」は、「更紗灯台」と書き、更紗染めのような模様のある灯台ツツジという意味で、「灯台」は枝の分かれ方が「結び灯台の脚」に似ているから、というのですが、「結び灯台」なるものを知らないので、似ているのかどうか判断できません。
園芸植物なので、詳しいことは分かりませんが、エリカの仲間はほとんどが南アフリカ原産で寒さに弱く、地中海原産のものは耐寒性があるそうです。
これは、クリスマスパレードという品種名が付いているくらいですから、耐寒性のあるものだと思います。
中国とヒマラヤに野生で生育するスイカズラの仲間の雑種であるといわれていて、庭木や街路樹、公園樹などに植えられるものです。
ハナツクバネウツギという和名もあるようですが、園芸品種としてはこの「アベリア」という属名から取った名前の方が一般的です。
これは、ピンクの品種ですが、白が一般的です。
ヨーロッパ南部原産で、観賞用または薬用として栽培されています。
キツネノテブクロという和名は、花の形から来たものでしょうか?
葉っぱの粉末を強心剤として用いますが、有毒植物なので注意が必要です。
アザレア
ツツジ科ツツジ属
2002.4 生駒市
シャクナゲ(石楠花)
ツツジ科ツツジ属
2002.4 飛鳥・岡寺
ホンシャクナゲ(本石楠花)
ツツジ科ツツジ属
2007.4 滋賀県日野町
モチツツジ
ツツジ科ツツジ属
2003.5 二上山
ヤマツツジ
ツツジ科ツツジ属
2003.5 二上山
アザレアというのは、ツツジの仲間全般を指す英名ですが、和名としてのアザレアは「ベルジアン・アザレア」というベルギーで改良された鉢植え用のツツジのことを言います。
温室で栽培し促成開花したものが売られていて、豪華ですが寒さに弱いとされています。
写真のものは、我が家で何年も育てているもので、今では屋外で簡単に寒さ除けしてやれば十分冬越し出来るようになりました。
庭園樹として栽培されているシャクナゲです。
右の自生種とは違って、マレーシアやインドネシアの山地に分布するもの、中国やヒマラヤの山地に分布するものをヨーロッパで園芸品種として改良したものがほとんどです。
シャクナゲという名は、「石楠花」という字を当てますが、これは漢名の「石楠花:中国原産のバラ科の植物」を誤って付けたものだそうです。
中部地方以西の本州と四国北部に分布し、山地の渓谷に面した岩地に生育する常緑低木です。
この写真は、標高350mの低地に群生していることで、国の天然記念物に指定されている、滋賀県日野町の鎌掛(かいがけ)しゃくなげ渓のものです。
左の花との違いは、花の先端が7つに分かれることと雄しべが14本あることです。
本州中部西部の低い山や丘陵に自生しているツツジですが、庭園用にも植えられる常緑樹です。
萼などがベタベタと粘りつくので、「餅ツツジ」だそうで、「ネバツツジ」という言い方もあるそうです。
各地の山野に自生するツツジで、普通は写真のような赤い花が咲きます。半常緑樹で、一部の葉だけが冬越しします。
花が紫色の「ムラサキヤマツツジ」とか、萼が花びらのようになった「ヤエザキヤマツツジ」など、色々変種があるそうです。
トウゴクミツバツツジ
ツツジ科ツツジ属
2004.4 生駒市
ハコネウツギ
スイカズラ科タニウツギ属
2003.5 大阪市・安居神社
ハコネウツギ・斑入り
スイカズラ科タニウツギ属
2004.5 浜名湖花博
カルミア
ツツジ科カルミア属
2003.5 鎌倉市・長谷観音
キリシマツツジ
ツツジ科ツツジ属
2003.4 生駒市
関東地方から近畿地方に分布し、山地に生える落葉低木です。
葉っぱが3枚ずつつくことから、「ミツバツツジ」で関東地方に多いので「トウゴク」と言われています。
普通花が先に咲き、あとから全体に毛のある葉が出てきます。最初は写真のように巻いていて、開くと常緑のツツジより幅広の大きな葉です。
「ミツバツツジ」は関東から中部の山地に分布する別種で、葉っぱには毛がありません。よく庭園樹としても植えられていて、近畿地方にもあると思っていたのですが、自生しているのはこの「トウゴクミツバツツジ」のようです。
詳しくは、解説ページ「うつぎ」をご覧下さい。 左のものと同じで、葉に斑が入っている園芸種です。
詳しくは、解説ページ「うつぎ」をご覧下さい。
北米原産の常緑樹で、花木として栽培されています。原産国では2〜8mになるそうですが、日本で庭園樹として栽培されているものは、1〜2m位にしかなりません。神戸森林公園では、3m程に育っていますから、生育環境によるものではないかと思います。
「カルミア」はアメリカからヨーロッパにこの植物を持ち帰ったスェーデン人の植物学者カルムの名前からきています。
花の色は豊富で、とても美しく、病虫害もあまりなく、育てやすいとされていますが、乾燥にはとても弱く、鉢植えで水切れを起こすと、簡単に枯れてしまいます。
庭園樹として栽培される常緑樹です。ヤマツツジが母種の一つではないかと、牧野博士は書いておられますが、確かに似てます。
「ミヤマキリシマ」という九州の霧島山などに生育するツツジがあって、この種の「キリシマ」も霧島山に由来するそうですが、「ミヤマキリシマ」の園芸品種ではありません。ちょっとややこしいのですが、「ミヤマキリシマ」の園芸品種は「クルメツツジ」だそうです。
白花のものもあります。
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